ビリヤニの起源を探す旅
”ビリヤニのルーツはピラフ”だと記された、本だったか
ウェブサイトだったかを目にした記憶があります。
ピラフはトルコ料理。 トルコの食文化について書かれた本によると、
トルコ語で米そのものを指すのに最も用いられるのがピリンチュで、その
名称はペルシャ語由来。 ピラフの語源も、ペルシャ語のピロウに由来。
そのことから、伝播経路はペルシャ→トルコ→インド。
ペルシャの米料理ポロウ→トルコの米料理ピラフ→インドの米料理プラウ
→ビリヤニと変化した流れか。
ペルシャ、現在のイランの米料理を、調べて作ってみた。
ケーキに見えるけど、イランの米料理のタチン。
ビリヤニのように層に重ねて、蒸して炊き上げる米料理。
ビリヤニほどスパイスを用いないので素朴な味なのですが、ユニークなのは
鍋の最下層に半茹で長粒米・全卵・ヨーグルト・サフランを合わせたものを
敷き、カリカリなおこげを作る点。
そして、ゼレシュクと呼ばれる赤い果実を上にのせて食べる点。
ゼレシュクの代わりに、摘みたての野苺をのっけて食べてみたのですが、
うん、美味し。 果物とハーブをあわせるセンス、イラン偉大だね。
それから、ソラマメが手に入る時期に作りたかったバカリ・ポロ。
ディルの香りの爽やか米料理。 と、まあ、イラン料理に色々と興味が
沸いたけど、カレー以外の料理にお客さんが興味を持ってくれないので、
程々で我慢します。
イラン経由で伝播した南インドのドピアザ(知らずに食べたら、駄目だろコレ
てなるカレー)など、結構イラン料理はカレー作りにあたって無視できない存在。
ゴルメサブジとニルギリコルマの共通性とか。
しかし、イラン料理には辛さとスパイシーさが足りないので、
当店のお客さんにはウケなさそうです、残念。
結局のところ、ビリヤニの元になった米料理は何なのか分からずじまい。
ヒンドゥー語を勉強してインドの図書館に篭りたいよお~! と思いつつ、
そんな知力も根性もない自分には、ダイエットしたいけど菓子は食べるぜ、
的な話でしかない。 すみませんすみません。
追記
よくよく考えると、イラン→トルコ→インドルートは地理的に
あり得なかったですね。
イランから、それぞれトルコとインドへ伝播、が正しかった。
で、プラウからビリヤニへのイノベーションは、ムガール帝国の功績?
資料が圧倒的に足りないので、やっぱりインドの図書館ゥン....