メロンを使わずメロンの香りを構築する

甘美なるメロン。
その芳香は、100を越える揮発性物質が織りなす複雑なもの。
しかし、たった4種類の香気成分を混ぜ合わせただけで、メロンの
香りとほぼ同様の香りを作り出すことが出来るのだそうです。


その4つとは..


■ シス‐6‐ノネノール
■ 酪酸エチル
■ フェネチルアルコール
■ シス-3-ヘキセナール



非常に興味深い。 
「メロンを使わずにメロンの味がするカクテル」作成します。

テッテレー


ウォッカとミネラルウォーター、砂糖。 これらのプレーンな味に、
野菜や花、ハーブを用いてメロンの香りを顕在化。
使用素材は....

まず、メロンの基本的な芳香成分であるシス‐6‐ノネノール。 
このシス‐6‐ノネノールの香りの特徴は、ウリ科の青臭い香り。 
なので、キュウリを用いて、香りの構成要素の主軸にします。


次に、フェネチルアルコール は、カーネーション、ヒヤシンス、
バラ、イランイラン、ゼラニウムネロリなど、様々な精油
含まれる花の香りなので、フレッシュのゼラニウムとバラを使用。


シス-3-ヘキセナール(cis-3-Hexenal)は、脂肪族アルデヒドの一種で
草や葉の匂いの主要な成分。 干し草のような、あるいは緑葉のような
フレッシュ感を感じさせる匂いなので、バレリアンとスギナを。


最後に、酪酸エチル。 全体の風味を甘く包み込むバニラの風味で。



再度テッテレー 



ロングアイランド・アイスド・ティーが紅茶を使わずに紅茶の味
構築したカクテルだとすれば、このカクテルは、ズバリ!メロンを
使わずにメロンの味を構築したカクテルなのです。

Vodka, Sugar, Water, Cucumber, Fresh Geranium, Valerian,
Rose syrup, Vanilla Essence, Equisetum arvense


それでは、皆様のご注文お待ちしております ♪



付記
静岡県農林技術研究所の論文「温室メロンの特徴的な香気成分と
追熟段階による変化」によると、methyl 2-methylbutyrate,
ethyl butyrate,ethyl 2-methylbutyrate等の甘くフルーティーな香り,
花の様な香りの2-phenylethyl acetate,キュウリ様のtrans-2,
cis-6-nonadienol,こがし砂糖のような甘い香りのhomofuraneol,
バニラ様のvanillinが、メロンの香気に寄与しているそう。


冒頭の香気成分、それ以外のものも記されてますが、とどのつまり、
メロンの芳香というのは、ウリ科の独特のみずみずしい香りと
グリーン香、それに少しのフルーツ様の香り、花香、バニラ香が
寄り添い、あまい香りが全体を覆う... 大枠そのような
香りの構成だと個人的には推測しています。 


詳細な香りの特徴まで挙げるとするなら、同論文によると上記の他に
蜂蜜、イチゴ、ピーチ、ココナッツ、溶剤(セメダイン)、ミルクや
クリーム、バター、キノコといった香りも包含されているようですが、
おら知らね 苦笑   てか、閾値が低そうなので、下手に入れると
バランスを崩しそう。 従って無視します。 キリッ