ウイグル民族のカレー ”大盘鸡”
中国の人口の91,5%は、漢民族。
残りの8,5%は、55の少数民族で構成されます。
(8,5%と言えども、1億1千9百万人!)
日本で一般的に知られている中華料理は漢民族の料理ですが、
中国には至極当然ながら漢民族以外の民族料理も存在します。
ウイグルは、地理的に8ヵ国(ロシア、モンゴル、カザフスタン、
キルギス、タジキスタン、アフガニスタン、インド、パキスタン)に
接し、それらの国と漢族に影響を受けた独自の料理文化を有します。
新疆ウイグル自治区の料理、大盤鶏(ダァパンジィ)。
カレーのような味と紹介されている通り、作ったらばカレーでした 苦笑
スパイス(クミン、八角、ローリエ、胡椒、シナモン)を使うあたり
いかにもインドカレー。 でも、ダーバンジーは水ではなくビールで
煮ます。 これ、インド料理では見ることがない方法です。
この料理を紹介している「ハーブ中華・発酵中華・スパイス中華」は、
中国の少数民族料理の専門書。 おそらく著者は、東京の中国料理店
「蓮香」の料理人の方じゃないの?と思ったら、やはりそうでした。
それと、他二人の料理店(茶馬燕・南三)の共同著書。 いやー
自分が知らないだけで、中国少数民族料理店ってまだまだあるのですねー
中国大陸は、とても広大。
少数民族イコール小規模集落の印象を持ちがちですが、ウイグル自治区と
チベット自治区、内モンゴル自治区のたった三つの行政区だけで、中国全土の
実に約4割の面積を占めます。
人口比率では、中国全体の3,7%に相当しますが、それでも約5千万人も。
分母が14億人なので、少数民族なのに少数ではないとゆう国家って... 苦笑
広西チワン族自治区のエリア。 やはり、ここも隣国の料理文化の
影響を(相互に)受けているのが興味深いです。
コブミカン果汁の使い方が、雲南料理なのにまるでタイ料理のよう。
逆に、タイ料理の書籍を読んでいても、中華料理の影響を感じる料理が
散見されます。 カオムーデンはチャーシュー丼、ムーカイパローは
角煮に酷似。 国と国とは国境で遮られていても、食文化(農作物が
育つ気候や環境)は繋がっている、てこと。 実に興味深いです。
最後に、ちょこっと営業を。。
只今、ウイグルの大盤鶏、タイカレーのゲーンガリー、ゲーンパッ、
ゲーンキョーンワーンをご用意しています。 よろしくどーぞ!