ウイグル民族のカレー ”大盘鸡”

中国の人口の91,5%は、漢民族

残りの8,5%は、55の少数民族で構成されます。

(8,5%と言えども、1億1千9百万人!)

 

日本で一般的に知られている中華料理は漢民族の料理ですが、

中国には至極当然ながら漢民族以外の民族料理も存在します。

 

 

例えば、新疆(しんきょう)ウイグル自治区

ウイグルは、地理的に8ヵ国(ロシア、モンゴル、カザフスタン

キルギスタジキスタンアフガニスタン、インド、パキスタン)に

接し、それらの国と漢族に影響を受けた独自の料理文化を有します。

 

f:id:nondetabete:20190708195521j:plain

新疆ウイグル自治区の料理、大盤鶏(ダァパンジィ)。

カレーのような味と紹介されている通り、作ったらばカレーでした 苦笑

 

スパイス(クミン、八角ローリエ、胡椒、シナモン)を使うあたり

いかにもインドカレー。 でも、ダーバンジーは水ではなくビールで

煮ます。 これ、インド料理では見ることがない方法です。

 

 

この料理を紹介している「ハーブ中華・発酵中華・スパイス中華」は、

中国の少数民族料理の専門書。 おそらく著者は、東京の中国料理店

「蓮香」の料理人の方じゃないの?と思ったら、やはりそうでした。

 

それと、他二人の料理店(茶馬燕・南三)の共同著書。 いやー

自分が知らないだけで、中国少数民族料理店ってまだまだあるのですねー

 

f:id:nondetabete:20190708203143j:plain

中国大陸は、とても広大。

少数民族イコール小規模集落の印象を持ちがちですが、ウイグル自治区

チベット自治区内モンゴル自治区のたった三つの行政区だけで、中国全土の

実に約4割の面積を占めます。 

人口比率では、中国全体の3,7%に相当しますが、それでも約5千万人も。  

分母が14億人なので、少数民族なのに少数ではないとゆう国家って... 苦笑

 

 

それから、ミャンマーラオスベトナムと接する雲南省

広西チワン族自治区のエリア。 やはり、ここも隣国の料理文化の

影響を(相互に)受けているのが興味深いです。

更に、メコン川を通じてタイやカンボジアの料理との類似も。

 

パクチーやミント、レモングラスといったフレッシュハーブと

コブミカン果汁の使い方が、雲南料理なのにまるでタイ料理のよう。

 

 

逆に、タイ料理の書籍を読んでいても、中華料理の影響を感じる料理が

散見されます。 カオムーデンはチャーシュー丼、ムーカイパローは

角煮に酷似。 国と国とは国境で遮られていても、食文化(農作物が

育つ気候や環境)は繋がっている、てこと。 実に興味深いです。

 

 

最後に、ちょこっと営業を。。

只今、ウイグルの大盤鶏、タイカレーのゲーンガリー、ゲーンパッ、

ゲーンキョーンワーンをご用意しています。 よろしくどーぞ!