フィッシュヘッドカレーを考案したMJゴメス氏のレシピで作ってみた

シンガポールを代表する料理、フィッシュヘッドカレー。

 

 

これまで、レストラン「Muthu's Curry(ムトゥースカレー)」が

フィッシュヘッドカレーの発祥なのだと思い込んでいたのですが、

NYタイムズによると、1949年、南インドケララ州から移住した

マリアン・ジェイコブ・ゴメス(Marian Jacob Gomez)氏によって

考案された料理なのだそう。

 

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NYタイムズから画像を拝借。 MJゴメス氏とその家族の写真。  

 

 

シンガポールは、中国人・マレーシア人・インド人が大半を占める

民族構成で、その影響か、フィッシュヘッドカレーには各々の

食文化を反映した多様なレシピが存在します。

 

 

マレーシア:魚醤、蝦の発酵調味料、レモングラス、カフィアライム等

中国:フツー 中国人はカレーに創意工夫しない傾向あるよね?

インド:ターメリック・クミン・コリアンダー北インド

    マスタードシードカレーリーフ・ココナッツの南インド

 

 

 

MJゴメス氏が考案したフィッシュヘッドカレーは、如何なるものだったか。

 

 

1930年代、ケララ州の首都からシンガポールへ移住。

年代不明 結婚のため、インドへ帰国。

年代不明 第一子の誕生後、再びシンガポールへ。

1949年、フィッシュヘッドカレーをソフィアロードの屋台で販売。

1964年、インドへ帰国。 ケララ州コラムに居住。

1974年、心臓発作にて死去。

 

 

シンガポールのセレギーロードで「Gomez Curry」を開業したゴメス氏。

テーブル数9、一日にフィッシュヘッドカレーを40~50皿販売した。

その後、3人の人物(ウエイターのロッキー、料理人のセバスチャンと

マリア・ダス)に店を任せて、1964年にインドへ帰国。 

 

 

極秘とされていたゴメス氏のフィッシュヘッドカレーのレシピ。

しかし、それを解き明かす手掛かりは残されていた。 

 

 

ゴメス氏のレシピを忠実に守っていた元従業員のマリア・ダス氏。

フィッシュヘッドカレーを作る際、氏のキッチンポットには

ココナッツすりおろし・ココナッツミルク・チリ・タマリンド

トマト・茄子・生姜・タマネギ・ニンニク・ターメリック

フェンネルカレーリーフが入れられていた...

 

 

さらに、味を伝えるエピソードとして

ゴメス氏のフィッシュヘッドカレーを食べた当時のシンガポール首相

リー・クアンユーは、激辛だと感想を漏らした... (意訳)

He said "face turned red after he had the spicy curry".

 

 

 

これら二点から、ゴメス氏の元祖フィッシュヘッドカレーのレシピを

推測すると、幾許かフィッシュヘッドカレーを作った経験があるならば、

材料の配合(少なくとも使用量の幅)は見えてくるはず。

 

 

作ってみた──

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テッテレー

 

 

レッドスナッパー(フエダイ)が瀬戸内で獲れる今だからこそ、

MJゴメス氏の元祖フィッシュヘッドカレー。 よろしくどーぞ!