ランプライス
17世紀、スリランカで生まれたランプライス。
綴りはLamprais。 オランダ語「lomprijst」に由来します。
スリランカを植民地支配していたオランダの食文化、
オランダのもう一つの植民地インドネシアの食文化、そして
スリランカ自体の食文化、それぞれが交雑して完成。
パンパカパーン! ランプライス ♪
これまで当店で提供した南インドのバナナ葉包み弁当の
ポティチョルよりも、知名度も・作る手間も・コストも
高いため、ずっと作るの躊躇していたのですが、ほら
コロナ禍でお店が暇で時間が有り余っているから~ 苦笑
弐拾四度のランプライスは、伝統的なランプライスに
必須の6品と現代的なランプライスに入っている2品、
全8品の構成です。
簡単な説明をば。
まずは、トラディショナルなものから
ディープフライド・ボイルドエッグ。
つまり、ザ・茹で卵の素揚げ。
それから、短粒米ポンニライスのギーライス。
ギーで炒めたタマネギ、ニンニク、生姜でグレイビーを作り、
短粒米のポンニライスをカルダモン、クローブ、シナモン等の
スパイスと鶏出汁スープで炊き上げた炊き込みご飯。
ランプライスは短粒米がマスト。
シーニ・サンボル。
いわゆるタマネギのチャツネ。 あま辛くて甘酸っぱい。
モルディブフィッシュ入り。 原価が上がるわわ。
牛肉をパン粉で揚げたミートボールのフリッカデル。
オランダ食文化の影響を感じさせる一品。
ランプラカレー・ククルマス。
古くは、牛や羊など様々な肉を混ぜて作っていたそうですが、
近年は肉の種類を単一で作られる傾向に。
カルピンチャ、ランペ、トゥナパハなどの香辛料に、
ココナッツと酸味。 味わいが多重構成。
海老と唐辛子のブラチャン。
ポルサンボルを代わりに入れているお店が見受けられますが、
正式なのはブラチャン。 ブラチャンといえば、スリランカと
同時期にオランダの統治下にあったインドネシアからの影響を
感じざるを得ません。 インドネシアは、バナナ葉で包んだ
料理のレパートリーがインドやスリランカに比べ、多種多様。
ブリンジャル・パヒ。
揚げ茄子の酸味強めカレーとゆうか、ピクルスとゆうか。
.......以上が、伝統的なランプライスの組み合わせになります。
茶色だらけで地味な見た目なのが、本来のランプライス。
激シブです。 見た目も味も。
伝統的な味で知りたいなら、ここまでの内容で楽しんでください。
それから、モダンなランプライスに入っているもの。
ビーツ・マッルン
ケール・マッルン
なんだ映えかよ、と穿つのは勝手ですが、
混ぜたときの味のハーモニーが前者と異なります。
祖父母が作ったお惣菜を詰めた幕の内弁当と
若者が集うカフェのランチプレートみたいな違い?
それぞれに良さがあります。
ランプライスは、コロナ禍で店が暇になったから
作ることができたこと。 もし数ヶ月後に来店されて
ランプライスが無いとしても、キレないでちょ。
「店は行かないとなくなる」と同義で
「注文できるのはそのタイミングだけ」や
「注文しないとメニューからなくなる」も
一般認知されるといいなあと思います、はい。