緊急事態宣言中も営業を続けた店の方が正解だった話

不謹慎な意見だし、あくまで当てにならない僕の予測と個人的な

営業結果から言うのですけど、緊急事態宣言中も営業し続けたお店の

方が、経営的には正解だったんじゃないか、という話。

 

 

当店が休業自粛を決めた理由は、3つ。

 

① 休業しなければ、営業再開した時に

真面目な属性のお客さん達を失いかねないこと。

 

 

現時点までの結果で言うなら、この見立ては誤り。

緊急事態宣言や休業自粛が解除されれば、夜の街に少しは

人出が戻るかと思いきや、全くそうはならず。 

真面目な方々の自粛は、未だ継続中。 いつまで自粛するのでしょう?

 

 

新規感染者ゼロが、一定期間続くまで? 

会社から、外食しても良いと許可が出るまで?

第二波を警戒しているから?

 

 

これらの理由って、経済活動再開で物流や出張などが増えて行けば、

感染ゼロという余りに不安定な目標は、ほぼ長期を意味するし、

第二波への警戒ならば、いつ来るか分からない第二波なんて、もはや

ワクチンが誰でも接種できるまで自粛という意味に等しく、これも長期。

 

つまり、4月,5月,6月に夜の街に来なかったお客さんは、

およそ1年先ぐらいまで来店されない、と解釈してもいいレベル。

 

 

もし、そのぐらい先の来店になるのなら、その長い期間で

休業しなかったことへの咎め感情は薄らいでいるだろうし、

お店も大変なんでしょ&結果的に緊急事態宣言中に感染者が

増えなかったし、も緩解の要因に。

 

 

そもそも、それ以前に、考えたくはないけれど、

もし半年~1年間も外食しなければ、その生活に順応してしまい、

もう夜の街には来ないレベルまで来店頻度が落ちる可能性が...

 

 

内食や中食に比べて、どうしても外食は高くなりがち。

仕方がないことではあるけど、家賃(住居賃貸より高い)や光熱費、

人件費(自炊なら費用なし)が掛かる上に、規模の経済が働かない

小規模店舗なら材料費も下がらないため、必然的にコスト高。  

 

もし、外食なしの生活の経済感覚に慣れてしまえば...

さらに、迫り来る景気後退で、財布の紐が固くなってしまえば...

その上で、外食する価値を見出してもらえなければ...  もうね。

 

 

そう考えると、アフターコロナで減少・消失する顧客よりも

屋台骨となる顧客にフォーカスを当てる&つなぎ留めておくことは

合理的な行動だし、経営判断としては正解だったかもしれない。

 

 

( 道徳的には不正解だけど、個人的攻撃はされない。そもそも

真面目な方は夜の街に来ていないから、営業続けたお店を知らないし、

お店側も自粛警察を怖れて営業していることをSNSに上げていないので

よほど粘着されない限りは特定されない。)

 

 

 

休業自粛した理由② 

営業を続けて見込める売上より、コストの方が高いこと。

 

 

緊急事態宣言中も営業し続けたお店は、家賃光熱費の固定費や

人件費などのコストよりも、売上の方が多かった? スゴイねー

 

4、5、6月に、公的支援金なくとも経営が成り立つ収支だったお店は、

間違いなく生き残れるお店。 

 

 

1、元々が繁盛店で、かつ売上と費用のバランスが良い店。

2、内食や中食にない価値を提供でき、かつ価格は前者と同程度の店。

3、顧客の属性(職業・役職、年齢、性格)が、夜遊び好き&自粛無視。

4、焼き鳥店。 ナゾにみんな食べに行ってる。

 

ストレスが高まると味の濃いものが食べたくなるとか、焼肉では

お金がかかるから焼鳥とか、テイクアウトでは満足できなかったとか、

煙の香りに包まれないと焼き鳥を食べた気がしないとか、諸説あり。

ラーメンも味濃いけど、お酒も売れる焼き鳥店は最強じゃない?

 

 

 

休業自粛した理由③ YOU、タフなメンタル持ってる?  苦笑

 

 

人が消え、静まり返っただけでなく、多くの店の休業により

看板や店内灯が消えて、視覚的にも心理的にも暗く感じた夜の街。

理性で大丈夫だと理解できたとしても、感情は別。

あんな状態の街で毎日働く休業自粛しない組のメンタル、鉄かよ?

 

 

 

以上、緊急事態宣言中も営業し続けたお店が凄いって話。

不謹慎な意見を述べて申し訳ないのですが、休業自粛した自分

にはない彼らの才幹に感嘆した次第。 あと不条理だだだだ、て。

 

 

 

こう考えるに至ったのには、キッカケがありまして.... 

色々と考えさせられた、あるお客さんとの会話。

 

 

「A店、休業せずにずっと開けてたんだよね。ガッカリした!」

「(やっぱりそう思われるよね...)あの、そのお店へは......?」

 

「行ってる。以前と変わらない頻度でね 苦笑」

「え !?」

 

「B店は今も休業自粛してて、テイクアウトだけの営業みたい。」

「テイクアウト注文されたのですか?」

 

「いや、一度もしてない。」

「え !?」

 

 

どちらも、行きつけのお店なのに何故...?

 

この感情と行動の不一致の謎は、この方が飲食店に求めているものが、

接客・会話だと推測すれば腹落ちできたのですが、店への好感度が

来店頻度に結びつかないのって、自分に置き換えても理解できる話で、

この街で一番美味しいと思ってるパン屋さんは遠方にあるため中々

買いに行けないけど、たいして美味しくないと思ってるパン屋さんには

帰り道にあるからというだけの理由で頻繁に通っていたりする...