ギムレットには...

数年前に購入したジンの専門書 「Classic GIN」 著者Geraldine Coates
洋書!です。
ビーフィーターやゴードンなど有名銘柄のジンに
どの様なボタニカルが使われているかを知ることができる素晴しい書籍。
他にもジンにまつわる、目から鱗の情報が記述されています。

本書によると、黒死病がヨーロッパに蔓延していた14世紀、病に苦しむ人々のために
中世のレシピ本「 Delights  for  Ladies 」に着想を得て
クローブ・メース・ナツメグ・ジュニパー・ローズマリーを使用した飲用液を開発。
1660年にオランダの学者フランツ・ド・ル・ボエがジンを開発する以前のこと。


ジンには、4大主要ボタニカル(ジュニパーベリーやコリアンダー、アンゼリカ、シトラス)の
他に幾つかの香草・スパイスが使われています。
近年では、今までのジンに使ってこなかったボタニカルを
造り手が自由な発想で使い、様々な味わいのジンを造っています。
例えば、ミント・ハイビスカス・ココナッツ・タイム・オリーブ・バジル・エルダーフラワーなど。

それらボタニカルの組み合わせが複雑に織り成すフレーバーがジンの魅力のひとつです。
個人的には、ジンベースのカクテルはクセのない銘柄で無難に作るより
ジンの香草・スパイスの香りをしっかり出したカクテルの方が魅力的に感じます。
2種類の薬草酒(ハーブスピリッツとハーブフレーバードワイン)を合わせた
ハーブカクテルであるマティーニなどは特に。
さて今回は、クラシックカクテル、ギムレットのレシピを、ジンに使用されるボタニカルを
新旧双方から選び強化させて、通常レシピのギムレットより薬草酒らしさを強調させてみました。

■ GIMLET  ELIXIR    エリクシール風ギムレット   
ジヴァインジン
ライムジュース
エキアセナ主体のブレンドハーブシロップ
フレッシュローズマリー
フレッシュオレガノ
フレッシュミント


ギムレットといえば、1890年に海軍医師ギムレット卿が将校の健康のため(ある意味霊薬)
プリマスジンをライムジュースで割ったのが始まりという説があるので、
ギムレットに使うジンはプリマスジンにすべきと指摘されそうですが、
そもそも当時のプリマスジンがどのような味かわからない上に
どのような種類のボタニカルを組み合わせたかも明らかではありません。
だったら伝統主義に必要以上に囚われてプリマスの銘柄に固執してしまうより、
発想を膨らませて各々独自解釈のギムレットを作った方が前向きなのではないでしょうか?


.... と偉そうに言っても、ふつうにギムレットを注文されて
このレシピで作れるほどの度胸はありません。 残念っ!