書名にひかれて読んでしまった一冊

サッカロマイセスセレビシエ(酵母菌の一種)



この題名から、酒造りのアルコール発酵に関する内容かと思いきや、
都内ブーランジュリーを中心に、パン職人のインタビューを交え
紹介した書籍でした。  騙された!苦笑  



ただ脱力感あふれる表紙とは裏腹に、骨太な内容。 良書!

凡百で浅薄なグルメ紹介とは異なり、パン職人への敬意に満ちた
真摯な姿勢で書き綴られています。
例えばこのような──



” ある日、私はこのような疑問に襲われた。
自分はパン職人と同じ情熱をもって、パンを食べているのか。”




しばし頭の中で反芻する。
同じ情熱をもって向き合う。 この尊さ。


一体いかほどの方が、こう想ってくれているのだろうか?
パン職人ではないけれど、頭を下げずにはいられない得難い言葉... 



なにも自分のことを偉ぶりたいわけではないし、また一方で
お客さんのことも偉い存在(神様)だとは思っていない。 失礼。
職人もお客さんも等価な存在。
だから、”お客さま”ではなく、”お客さん”と、僕は呼びたい。