ラズベリー 前編

ちょっとずつ色付きはじめました。
写真をよく見るとわかると思うのですが
ラズベリーの果実は一斉に熟しません。
こっちが熟せば、数日後あっちが熟す。そのまた数日後にそっちのが...という調子で
収穫は数週間に渡り、まるで夜鳴きする赤ちゃんみたいな果物です。

以前お客さんにラズベリーはフレッシュですか？と訊かれて
いえ、仕込みしてますと答えてしまいガッカリされたことがあります。
気持ちはわかりますが、実際問題ラズベリーは
カクテルに使える分を確保する為には数週間に渡って
熟したものからちょっとずつ、日数を掛け収穫することになるので
保存の必要性から一旦冷凍することに。

しかも、そもそもラズベリーはイチゴと比べて種がとても堅いため
口触りを考えると取り除く処理（仕込み）はいずれにしても必須です。

植物が甘い果実を実らせるのは、鳥や獣に種子を甘い果実と一緒に
口に入れてもらい、排泄物と共に種子を広範囲に拡散分布させるため。
ラズベリーの種が堅いのも時間差で果実が実るのも
繁殖の可能性を考えると非常に合理的です。
賢い果物です、ラズベリー。

ラズベリーの仕込みについては、次回に。