バニラを使わずにバニラの味を構築する

200種類以上あるバニラの香気成分。 
主要な成分は、そのまんまな名前の「バニリン」ですが、
なんでもバニリン単体では、バニラの芳香を再現できないそうで、
他の香気成分との均衡により、あの甘い香りは形成されるらしい。



クローブやサッサフラス、木材などからも抽出可能とされる
バニリン。 生憎、化学合成の魔法は持ち合わせていないので、
味覚の錯覚を利用し、バニラフレーバーを表現します──



テッテレー 「バニラを使わないバニラリキュール」完成です!



バニラの香気成分のアニスアルデヒドとβ-ダマセノンを、
それぞれフェンネルとバラで。 それから、フェヌグリーク。


フェンネルとフェヌグリークは、インドカレーに甘い香りを
纏わせたい場合に使うスパイスで、フェンネルは爽やかな甘さ、
フェネグリークはキャラメルのような甘さと、それぞれ香りの
タイプが異なります。


これらを洋菓子によく使われるラム酒に浸漬し、記憶の中にある
これまで口にしたバニラ系スイーツの味との混同を狙います。

White Rum, Fennel, Fenugreek, Rose, Sugar


余談ですが、このイミテーションのバニラリキュール、漬け込みの
期間が長くなればメティの効果か、カフェオレ風味になります。 



閑話休題
このバニラを使わないフェイクのバニラ酒は、そのままで
愉しむのも良し、カクテルにするのも良し。 例えば、旧来の
カクテルファンは大好きなはず、ゴールデンキャデラック。


■ Fake Golden Caddilac

Imitation Vanilla Liqueur, Homemade Kummel,
White Cacao Liquer, Heavy Cream


イミテーション・バニラリキュールと自家製のキュンメルとで
ガリアーノに見立て作成したフェイク・ゴールデンキャデラック。
ご注文お願いします〜